大規模災害の発生時には、残念ながら、その混乱に乗じた犯罪が起きることもあります。避難によってからになった住宅に押し入り、貴重品を盗む「空き巣」もその一つ。そういう最悪のケースを想定して、できる防犯対策を講じるほうがいいかもしれません。地震や水害が起こっている中で、命を危険に晒してまでやることではありませんが、その場でできる防犯対策はやっておくのがいいでしょう。

大規模災害時に空き巣が増える理由

災害が発生したら、当然地元の警察も打撃を受けます。混乱状態で防犯能力が低下するため、空き巣を働いても捕まるリスクが低いのです。停電をしていると、ホームセキュリティも使えなくなってしまいます。
また、住宅が壊れていたり、鍵が空いたまま避難していたりすることもあり、簡単に侵入できる家が増えることも一つの原因でしょう。

基本は「鍵をかける」こと

空き巣対策の基本は施錠です。空き巣はピッキングしたりガラスを割ったりして侵入するイメージがあるかもしれませんが、通常の空き巣被害で空き巣被害において最も多い侵入ルートは「鍵のかかっていないドアや窓」なのです。
非常時も、戸締まりをしっかりと行うことは防犯対策として有効です。
施錠にじかんがかかって避難が遅れることになったら大変なので、出来る範囲で施錠をしつつ、避難を優先しましょう。

ちなみに、普段の防犯としてドアや窓に二重ロックを取り入れたり、ガラスに防犯フィルムを貼ったりする対策は、災害にも有効です。特に防犯フィルムを貼っておくと、地震で窓ガラスが割れても破片が飛散しにくいという点で役立ちます。

貴重品を持って避難する

どのような状況下であっても、空き巣は時間さえかければ侵入できてしまいます。
警察や警備会社が機能していない場合は、侵入に時間がかかってもリスクは小さくなります。そうなると、家にいなければ空き巣を防ぐことはできないでしょう。

電気やテレビをつけっぱなしにして在宅を装うのも有効ですが、停電時には貴重なラジオや懐中電灯をつけっぱなしにして放置することになるため、強いてやる必要はないかもしれません。

そのため、空き巣被害を防ぐためには、「貴重品は持って逃げる」ことがもっとも効果的だといえます。避難をする必要が生じたときにすぐ貴重品を持ち出せるように、以下の準備をしておきましょう。

  • 避難時に持ち出す貴重品を決めておこう
  • 防災リュックは貴重品を入れるスペースを空けておこう

一方で、貴重品を避難所へ持ち出す場合には、避難所の盗難対策を考えておく必要があります。